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相続手続はお済みですか?

 神戸市内で発行される「Dジャーナル」という地域情報紙の街の法律相談窓口というコーナーに兵庫県司法書士会神戸支部の会員が順番に投稿をおこなっています。3月号は私の担当でした(6ページ目に掲載されています)。
 原稿掲載後に読者の方から編集部に質問があったので、その質問と私からの回答をご紹介させていただきます。

■Dジャーナルの原稿
前回、相続登記は義務でなく、守るべき期限も罰則もないことをお伝えしました。しかし、できる限り早く相続登記をおこなうべきだとお勧めしました。今回は長い期間、相続登記をしなかった場合、どんな不都合があるのか、私が最近相談を受けた事例をご紹介します。

相談者は不動産を事業に使っていました。昨年末に母親を亡くした時、この不動産の名義は昭和40年に亡くなった相談者の祖母であることが判明しました。今後も事業継続のため、不動産の名義を相談者の名義に相続登記しなければなりません。相続登記をするには相続人全員を探し、納得してもらう必要があります。ところが相続人は12人にもなりました。

関東や東北に住んでいる方もいれば、90歳を超える方もいます。近くの方には直接出向いて手続きのお願いをしますが、遠方の方とは手紙のやりとりです。なんとか前に進めたいのですが、今のところ全く解決する見通しが立ちません。

祖母が亡くなった昭和40年の時点で手続きをおこなっていれば相続人は兄弟姉妹の4人。すんなりと進んだはずなのに…」


■読者からの質問
1.不動産の名義変更のその後、どうなったのでしょうか?
2.時間がかかりますが終わったのでしょうか?

回答→不動産の名義変更は以下の理由により進展はありません。
①依頼者が他の相続人を訪問し、手続に協力してくれないかとお願いに行くが、4時間ほどいろいろと嫌みを言われたりしたが、結局手続に協力してくれない(自分の母親の代のことで自分には何の責任もないのに…)
②遠方の相続人と全く連絡がとれない

3.相続手続きは、やはり、相続人みんなの印鑑が必要なのでしょうか?
回答→相続手続には相続人全員の印鑑(実印)の押印が必要になります。

4.所有者が亡くなった後、固定資産税は私が負担しているのですが、なにか簡単に進める方法はないのでしょうか?
回答→固定資産税を支払っていても、相続人全員の印鑑が必要なので簡単には進みません。

■まとめ
以前このブログでも紹介しましたが相続手続は時間が過ぎれば過ぎるほど大変になってきます、可能な限り早く始めることをお勧めします(姥 圭太郎)。


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認知症の母親がいる場合(相続登記シリーズ⑪)

できるだけわかりやすい相続登記シリーズ⑪です。
今回は相続人に認知症の方がいる場合です。

事案は、Aが死亡し、相続人が妻B、子供C(成年者)の場合です。
Aの相続財産は自宅マンション。Cはマンションを自分名義にしたいと考えていますが、Bは数年前から認知症で判断力が低下しており、とても遺産分割協議をおこなえる状態ではありません。
この場合どのようにしたらよいのでしょうか?

結論から言うと、このままでは遺産分割協議はおこなえません。

Bが認知症等により判断能力が低下して、遺産分割協議をおこなうことができない場合には、Bに対して成年後見人を選任する申立を家庭裁判所におこない、選任された成年後見人とCが遺産分割協議をおこなうことにより、C名義への相続登記ができる可能性があります。

なお、注意点として
①.不動産をC単独名義にするということは、Bがもつ法定相続分1/2の権利が適切に守られないことになってしまうため、原則として、選任された成年後見人はBのために、不動産価格の1/2に相当する財産を確保させる必要があるため、Cに対して、代償金等の請求をおこなうことになります。

②.成年後見人は家庭裁判所が選任します。CがBの成年後見人に必ず選任されるとは限りません。
また、一旦選任されると、遺産分割協議が終わったからというだけで成年後見人を辞めることはできません。

③.成年後見人にCが選任された場合は、前回のブログと同様に、BとCの間で利益が反する結果となるので、
Bに対して更に特別代理人の選任が必要にあります(民法860条)。


以上のように、相続人に認知症の方がおられると、相続登記はとても複雑になります。

というわけで、全11回にわたる、「できるだけわかりやすい相続登記シリーズ」は今回で最終回となります。「できるだけわかりやすく」書けたか自信がありませんが、読んで頂いた方、ありがとうございます。

なお、来週からは、澤井司法書士の「成年後見シリーズ」が始まります!ご期待ください!(姥圭太郎)

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相続人の一部に未成年者がいる場合(相続登記シリーズ⑩)

できるだけわかりやすい相続登記シリーズ⑩です。
今回は相続人の一部に未成年者がいる場合の相続登記についてです。

事案は、Aが死亡し、相続人が、妻B、子供C、子供Dの場合です。
Aの相続財産はマンション。C、Dはともに未成年者です。
Bはマンションを自分名義にしたいと考えていますが、この場合どのようにしたらよいのでしょうか?

C、Dが成年者ならば、3人でB名義にするという話し合い(遺産分割協議)が成立すると、B名義にする相続登記は可能です(前回のブログ参照)。


結論から言うと、今回の事案では、B、C、Dの間で遺産分割協議はおこなえません。

未成年者の親権者は、子供の法定代理人として法律行為(契約等)をおこなえますが、BがC及びDの親権者として、B1人で遺産分割協議をおこない、その結果B単独名義にするという遺産分割協議を成立させてしまうと、本来法定相続分として各々1/4あるC、Dの権利が適切に守られないことになってしまうため、今回のような場合にはB、C、Dの間で遺産分割協議はおこなえないのです(このような関係を「利益相反」といいます)。

では、どのような手続きになるかというと、Bが家庭裁判所に対してC、Dのために特別代理人選任の申立をおこない、家庭裁判所がCのために特別代理人E、Dのために特別代理人Fを選任します。その選任されたE、FとBの間で遺産分割協議をおこない、B単独名義にするという遺産分割協議が成立すれば、B名義に相続登記ができます。

相続人の一部に未成年者がいると、相続登記も少し複雑になりますね。(姥圭太郎)

民法 第826条(利益相反取引)
①親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権を行う者は、その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない
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当事務所での相続登記の進め方(相続登記シリーズ⑨)

できるだけわかりやすい相続登記シリーズ⑨です。
今回は、当事務所ではどのように相続登記をすすめていくのかを説明します。

事案はAさんが死亡し配偶者(B)と子供(C)が遺産分割協議をおこない、配偶者が不動産の相続をうける場合です。

①まず、面談をおこない、手続きの流れ及び登記費用についてご説明します。
その際、相続登記に必要な書類を依頼者本人が取得するのか、当職で取得するのかを決めます。

②相続登記に必要な書類を収集します。

③必要な書類が集まると当職が遺産分割協議書を作成しBさん・Cさんにご署名及びご実印の押印をいただきます。

④当職が相続登記申請書を作成し、管轄法務局へ登記申請をおこないます。

⑤申請後、約1週間程度で登記が完了します。

登記が完了したらBさんに、法務局から発行された登記識別情報と新たにBさんが登記名義人として記載された登記事項証明書をにお渡しし、これで全ての手続きが完了になります。

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相続登記のために収集する書類(相続登記シリーズ⑧)

できるだけわかりやすい相続登記シリーズ⑧です。
今回は、相続登記の際にどのような書類を収集して法務局に提出するか、また提出する理由を説明します。

事案はAさんが死亡し配偶者Bと子供Cが遺産分割協議をおこない、配偶者Bが不動産の相続をうける場合です。

■法務局へ提出するために収集する書類
①Aさんの出生から死亡までの全ての戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本含む)
②Aさんの住民票の除票または戸籍附票の除票
③Bさん・Cさんの戸籍謄本
④Bさん・Cさんの印鑑証明書
⑤相続する物件の固定資産税の評価証明書
⑥遺産分割協議書


■提出する理由
①はAさんの相続人を確定するためです
  Aさんの出生から死亡までの戸籍全部を取得すると、相続人が誰になるのか確定できます。
②は現在、登記されている人物が、亡くなったAさんと同一人物であることを確認するためです
③はBさん・CさんがAさんの相続人あることを確認するためです
④は⑥の遺産分割協議書が真正に作成されたことを証明するためです
⑤は納付する登録免許税の算定のためです。
⑥はBさん、Cさんが遺産分割協議をおこない、その結果Bさんが不動産を相続することを証明するためです

以上のとおり、相続登記の申請には、たくさんの書類を提出する必要があります。

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