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外国人住民票について

最近、外国人のかたからよくご相談をいただきます。
先日も在日中国人のかたから抵当権の抹消登記のご依頼がありました。過去に何度か引っ越しされており(昭和60年購入時の住所A町→平成10年B町→平成20年C町)、登記簿上の住所(A町)と現在の住所(C町)が異なるため、抹消登記の前提として登記簿上の住所(A町)を現在の住所(C町)に変更する住所変更登記が必要となります。
住所変更登記には、登記簿上の住所から現在の住所までのつながりのある証明書が必要となります。日本人であれば、住民票や戸籍の附票がそれにあたります。

外国人の場合、従来は「外国人登録原票」に住所が記載されていましたので、区役所で「外国人登録原票記載事項証明書」を取得していただければよかったのですが、入管法と住民基本台帳法が改正されて外国人登録法が廃止されたことに伴い、「外国人登録原票」に代わり新たに「外国人住民票」が創設されることになりました(今年の7月9日施行。基準日は5月7日)。

「外国人住民票」には基準日である平成24年5月7日以降の住所(C町)のみが記載されますので、今回のように、5月7日より前の住所のつながりを証明するには、廃止された登録原票の情報(A町→B町→C町のつながりが記載)が必要となります。外国人登録のデータはすべて東京の法務省に送られてしまったため、市区町村での発行手続はおこなわれず、東京の法務省に「外国人登録原票に係る開示請求」をおこなう必要があります。

全国から開示請求が殺到しているのか、請求しても開示されるのが遅いこと。8月31日に開示請求したところ、開示されたのは9月15日でした。今回は急ぎの案件ではなかったのでよかったですが急ぎの不動産の売却案件であれば大変だったかもしれません。区役所でなんらかの代替証明を発行してくれないか確認しましたが、神戸市では発行していませんとのことでした。

ちなみに、別件で在日韓国人の相続手続の相談も受けていましたが、「死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付請求」の請求窓口は別なんですよね。なにかと面倒くさいです。

住所変更登記は、売却時等にまとめてすればよいですよなどとアドバイスすることもありましたが、5月7日以前に引っ越しされて登記簿上の住所と現在の住所が異なっている外国人のかたは、とりあえず現在の住所まで住所変更登記をしておいたほうが後日いざ売却したいというときに慌てずに済むかもしれませんね。(澤井靖人)

外国人登録原票に係る開示請求について
死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付請求について


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親族間の横領で刑が免除される特例は成年後見人には適用できないとする最高裁判決

平成24年10月9日、最高裁判所は「成年後見人が成年被後見人と親族関係であっても刑を免除する特例は適用できない」との判断を示しました。刑法244条第1項で「配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。」(第235条「窃盗罪」、第235条の2「不動産侵奪罪」)と定められており、第255条で横領罪についても準用されていることについて、成年後見人による横領との関係を示したものです。

判決の主文は、「家庭裁判所から選任された成年後見人の後見の事務は公的性格を有する」ことを適用できない理由として述べており、刑法第244条第1項所定の親族関係(たとえば妻・親子)があっても「量刑に当たりこの関係を酌むべき事情として考慮するのも相当ではない」としています。
 
少し古いデータですが、平成22年6月~平成23年3月(10か月間)の親族後見人による財産着服の被害総額は約18億3000万円(182件)とのことです。これらすべての財産着服が刑事告訴されたかどうかは不明です。近しい親族関係であるほど、財産を管理する全権限が当然にあるとの認識が生じやすくなる一方で他人の財産を管理しているとの意識は低くなります。また扶養関係にある場合の線引きの難しさもあります。そのような関係の中で財産着服が発覚しても、家庭裁判所としては着服した親族に返還を約束させる(民事的解決)のみで刑事告訴されない事件は多数あったと思われます。

家庭裁判所では今年から「後見制度支援信託」制度の運用を開始するなど、親族を成年後見人することに慎重な運用をおこなうようになってきています。今回の最高裁判決により、今後、ますます親族の成年後見人は選任されづらくなっていくように思います。(澤井靖人)

NHK NEWS WEB   
裁判所判例Watch  


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市民公開フォーラム「成年後見人の倫理~信頼される後見人とは?~」

兵庫県司法書士会による市民公開フォーラム「成年後見人の倫理~信頼される後見人とは?」が開催されます。
私も、第2部の専門職後見人(司法書士)パネリストとして登壇予定です。(澤井靖人)


日 時:11月10日(土)午後2時~午後5時(受付:午後1時30分~)
場 所:兵庫県司法書士会館地下ホール(神戸市中央区楠町2丁目2番3号)

プログラム:
第1部:午後2時~
基調講演『成年後見人の職務上の留意点について』
講師:神戸家庭裁判所書記官

第2部:午後3時30分~
パネルディスカッション『成年後見人の倫理~信頼される後見人とは?~』
パネリスト:専門職後見人(社会福祉士・司法書士)、市民後見人、神戸市社会福祉協議会

参加費:無料
対 象:成年後見人等受任者・後見人になろうと考えている方・後見業務に関心のある方
定 員:100名(先着順で受付)※申込締切 平成24年10月26日(金)
主 催:兵庫県司法書士会(申込・問い合わせ先 TEL078-341-6554)
共 催:公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート兵庫支部


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成年後見研修会に参加しました

9月29日(土)、30日(日)に宝塚で成年後見研修会(近畿司法書士連合会・兵庫県司法書士会・(公社)成年後見センター・リーガルサポート兵庫支部共催)が開催されました。
台風直撃の中の研修会となってしまいましたが、いろいろ勉強になりました。

特に家庭裁判所主任書記官・主任調査官による「専門職後見等監督人の職務について」の講義は、後見監督人の事務に関する書籍も少なく、また、家庭裁判所の考え方・姿勢を直接知ることのできる機会はめったにないだけに、非常に参考になりました。監督人選任事案について、監督形態ごとに一定の分類をおこない、分類ごとに家庭裁判所が後見監督に期待する事務のポイント等が示されたことで、今まで、監督人としてなにを期待されているのかが少し曖昧に感じていただけに、すっきりしたように思います。

以前、後見監督人として、不適正な財産管理をした親族後見人を解任請求した事案があります。併せて私も監督人を辞任し、解任された親族後見人の後任にスライドして選任されることで、(今度は後見人として)被後見人への被害を最小限に食い止めるために走り回りました。様々な理由を述べて不適正な支出を繰り返す親族後見人の指導の困難さ、解任の難しさ(親族後見人の抵抗)、監督人としての権限の限界、本人に接することが少ないことからの状況把握の困難さ、関係機関との連携の難しさ等を痛感しました。様々な場面で「覚悟」を求められる事案だったと思います。この事案はドラマティックな幕切れだったこともあり、様々な後見業務の中でも忘れられない事件の一つです。

後見監督人という仕事とは、「監督」という限定された場だけに、実はかなりのスキルを要する仕事だと思います。研修で得たものを通して自身のスキルをさらに磨いていきたいです。(澤井靖人)



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