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親族間の横領で刑が免除される特例は成年後見人には適用できないとする最高裁判決

平成24年10月9日、最高裁判所は「成年後見人が成年被後見人と親族関係であっても刑を免除する特例は適用できない」との判断を示しました。刑法244条第1項で「配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。」(第235条「窃盗罪」、第235条の2「不動産侵奪罪」)と定められており、第255条で横領罪についても準用されていることについて、成年後見人による横領との関係を示したものです。

判決の主文は、「家庭裁判所から選任された成年後見人の後見の事務は公的性格を有する」ことを適用できない理由として述べており、刑法第244条第1項所定の親族関係(たとえば妻・親子)があっても「量刑に当たりこの関係を酌むべき事情として考慮するのも相当ではない」としています。
 
少し古いデータですが、平成22年6月~平成23年3月(10か月間)の親族後見人による財産着服の被害総額は約18億3000万円(182件)とのことです。これらすべての財産着服が刑事告訴されたかどうかは不明です。近しい親族関係であるほど、財産を管理する全権限が当然にあるとの認識が生じやすくなる一方で他人の財産を管理しているとの意識は低くなります。また扶養関係にある場合の線引きの難しさもあります。そのような関係の中で財産着服が発覚しても、家庭裁判所としては着服した親族に返還を約束させる(民事的解決)のみで刑事告訴されない事件は多数あったと思われます。

家庭裁判所では今年から「後見制度支援信託」制度の運用を開始するなど、親族を成年後見人することに慎重な運用をおこなうようになってきています。今回の最高裁判決により、今後、ますます親族の成年後見人は選任されづらくなっていくように思います。(澤井靖人)

NHK NEWS WEB   
裁判所判例Watch  


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