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公的証明書には保存期間が決まっている!(相続登記シリーズ③)

できるだけわかりやすい相続登記シリーズ③です。

前回は相続登記にはおこなうべき期限はないけれど、できるだけ早く済ませたほうがよいと書きました。
今回はできるだけ早く済ませたほうがよい理由の説明です。

相続登記をできるだけ早く済ませた方がよい理由の一つは、公的証明書の保存期間が過ぎてしまい、相続登記に必要な公的証明書が取得できないことがあるからです。
相続登記には、相続人を確定させるために、被相続人(亡くなられた方)の出生から死亡までの全ての戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本を含む)が必要になります。

戸籍謄本には出生事項および死亡事項が記載されているため、戸籍謄本のみでいいように見えますが、通常は婚姻により新たに戸籍が作られたり、戸籍の様式変更(改製)によって新たに戸籍が作られたりしており、通常であれば出生から死亡までの戸籍を全て集めると4~5通になります。
また、登記簿に記載された方と亡くなられた方が同一人物であることを証明するために、登記簿に記載された住所と亡くなった時の住所のつながりを証明する戸籍附票や住民票も必要になります。

戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本)については、平成22年6月1日以降は保存期間が80年から150年になりましたので、現在では相続登記に必要な戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本)が取得できなかったということはあまりないでしょう。
しかし、戸籍附票・住民票の保存期間は、今までと変わりなく5年間なので、相続登記に必要な戸籍附票や住民票が取得できないことはありえます。では、相続登記に必要な戸籍附票・住民票が取得できない場合、相続登記はできないのでしょうか???

安心して下さい、決してそんなことはなく、法務局に上申書という書類を作成し提出することにより取得できない公的証明書がある場合でも、相続登記が可能になります。
上申書の内容は、公的証明書が取得できず登記簿に記載された住所と被相続人の亡くなった時の住所のつながりが証明できませんが、登記簿に記載された者は間違いなく被相続人であります、というものになります。
なお、上申書には相続人全員が実印を押印し、印鑑証明書と一緒に法務局に提出する必要があります。

以上のとおり、戸籍謄本(除籍謄本・原戸籍謄本)の保存期間は150年になりましたが、住民票・戸籍附票の保存期間は5年間なので、必要な公的証明書を取得できないこともありえ、公的証明書を取得できない場合でも相続登記ができないことはないですが、別に上申書の作成が必要になるので手続きが複雑になります。
以上が相続登記はできるだけすませた方がよい理由の一つです。


次回のできるだけわかりやすい相続登記シリーズ④は、『相続関係が複雑化する!』です。
公的証明書の保存期間の問題よりもさらに、早く済ませたほうがよい理由があります。
不動産登記業務をおこなっていて、ちょっと複雑で時間がかかるなぁという事案にぶつかる時の多くは長期間、相続登記をおこなっておらず、相続関係が複雑になってしまっているという事案なのです!(姥 圭太郎)


■わかりやすい用語解説
・戸籍謄本  現時点で一番新しい戸籍の内容が記載されたもの

・除籍謄本  戸籍に在籍されている方が死亡や転籍等で戸籍内に誰もいなくなり消除されたもの

・原戸籍謄本 戸籍法の改正により、戸籍の様式が変更され新しくを作り変えた場合の、その元になった戸籍謄本
       のこと、戸籍の様式の変更を「改製」といいます。なお、読み方は「ゲンコセキ」ですが、現戸籍
       と間違いやすいので「ハラコセキ」とも読まれます。

・戸籍附票  住民票と同様に住所の履歴が記載されますが、本籍地に変更がない限り、市区町村をまたぐ住所移
       動を繰り返した場合でも、順次、住所地が記載されます。逆に住民票は市区町村をまたぐ住所移動
       がある場合は、その市区町村内での履歴しか記載されません

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