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成年後見制度の分岐点

 私は、成年後見センター・リーガルサポート兵庫支部の副支部長をしていることもあり、家庭裁判所や行政機関などと打ち合わせる機会も多いのですが、最近感じることがあります。それは、今、まさに「成年後見制度の分岐点」にあるということです。

 現在、成年後見人等に選任される者は、専門職後見人と親族後見人とに分類されます。
専門職後見人は、弁護士・司法書士・社会福祉士の三士より選ばれ、遺産分割など複雑な法律問題がある場合には弁護士が、身上監護面が中心となる場合は社会福祉士が、財産管理を中心に司法書士が選任されることが多いようです。(精神障がいのかたは精神保健福祉士が選任されることも多いようです)

 今、その仕組みに3つの大きな変化の波がきているように感じます。第1に「後見制度支援信託制度」の導入、第2に「市民後見人の養成」、第3に「新たな専門職後見人の参入」です。

 「後見制度支援信託」制度は、最近新聞などでも取り上げられていますが、親族後見人の横領事件が多いことから、その不正を防止するため、日常生活に必要な一定の額のみ親族後見人が管理し、一定の額を超える現金・預貯金は信託銀行に信託してしまうという制度です。来年2月頃からの運用を予定しているようです。この制度により、従来の親族後見人の役割が大きく変わることが予想されます。また、従来は、親族間の紛争はないが多額の資産があり、財産管理が複雑な場合は、弁護士・司法書士などの専門職後見人が選任されることが多かったようですが、後見制度支援信託制度運用後は、この制度を利用するかたちで親族後見人が選任されるケースも増えてくるかもしれません。

 「市民後見人」は、親族後見人・専門職後見人だけではなく、一般の市民を後見人に選任するというものです。既に一部の地域で運用がおこなわれていますが、老人福祉法の改正(平成24年4月1日施行)により、市町村が市民後見人を養成するよう努めるべきものとされたことに伴い、今後、市民後見人の養成事業を立ち上げる市町が増えてくると思われます。神戸市では平成23年1月に神戸市成年後見支援センターを立ち上げ、市民後見人養成を開始し、1期生の養成研修は既に終わり、近々にも兵庫県での市民後見人第1号が選ばれる可能性があります。

 また、専門職後見人も、従来の弁護士・司法書士・社会福祉士だけでなく、税理士・社会保険労務士・行政書士などの専門職団体も、新たに専門職後見人としての受け皿となるべく、準備を進めているようです。

 これらの変化は、来年の上旬~中旬にかけ具体化していくものと思われます。それに伴い私たち司法書士の専門職後見人としての役割にも影響があるかもしれません。平成23年5月には、家事事件手続法が制定されました(2年以内に施行)。施行されれば、現在の家事審判法によって規定されていた成年後見の手続きも、以後は家事事件手続法によって規定されることになり、私たちの実務にも大きな影響を与えることになります。

 制度・法律など様々な変化が押し寄せてきますが、どんな変化が起ころうと、その変化に対応し、いつでも求められる後見人でありたいと思います。(澤井靖人)


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