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一般社団法人神戸市手をつなぐ育成会機関誌「いくせい」巻頭言

一般社団法人神戸市手をつなぐ育成会の機関誌「いくせい」第329号(平成27年6月20日)の
巻頭言が掲載されました。(澤井 靖人)

                     10年を想う
                                      みなとこうべ司法書士事務所
                                        司法書士澤井 靖人

1896年制定以来といわれる民法の大改正が年内にも実現しそうです。私たちの生活にも様々な影響が予想されます。
 これまで大きな民法改正がおこなわれなかったことが不思議なぐらいですが、まったく改正がおこなわれてこなかったわけではなく、2000年4月1日に導入された成年後見制度も重要な改正の一つです。

 今から10年前を思い起こすと感慨深いものがあります。当時は、まだまだ「成年後見」という言葉自体が認知されておらず、(私が若かったせいもありますが)どこへ行っても、「成年後見人」と言うと「青年後見人」と間違われました。いざ後見人に就任し、銀行で通帳の名義を後見人名義に変更しようとしても、銀行の担当者が制度を理解しておらず、何度も制度を説明し、担当者が本部に確認するのを待つということを繰り返して、1通の通帳の名義を変更するのに数時間を要するのが当たり前のようでした。本人のために施設への入所契約をおこなおうとすると当然のように後見人に保証人になることを求められました。

 今では、「成年後見」という言葉だけでなく制度自体も広く認知されるようになりました。銀行では従前と比べてはるかにスムーズに手続きをおこなえていますし、施設入所契約をしようとすれば、多くの施設では(後見人への保証人を求めない)後見人用の入所契約書が用意されています。成年被後見人の選挙権も回復され、選挙もできるようになりました。

 これからの10年、後見制度はどのように変わっていくのでしょうか。私は、3つの大きな波があると考えています。「後見制度支援信託」、「障害者権利条約への批准に伴う法改正」と「市民後見人等の後見人の受け皿の拡がり」です。
 「後見制度支援信託」とは、成年後見の利用に当たり、日常に必要十分な金銭のみを管理し、それ以外の預貯金等を信託銀行に信託するしくみです。後見人による不正横領防止に有効として、現在急速に運用が拡大しています。「市民後見人」は後見人の新たな受け皿として、選任数が急増しています。「障害者権利条約」は、2014年に日本も批准したことにより、今後条約の趣旨に合わせた法改正を求められていくことでしょう。

 これからの10年、これらの波は試行錯誤や失敗・修正を繰り返しながら、後見制度や福祉分野に大きな変化や影響を及ぼしていくのではないかと感じます。
成年」後見といいますが、今はまさに「青年」のような可塑性に富んだ状態です。誰にとっても無関係ではない制度であるがゆえに、よりよく変わっていくことを願ってやみません。


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